パー5で無理に2オンを狙わない理由とは?

〜スコアアップに直結する堅実なコースマネジメント〜

2オンを狙うことは「カッコイイ」けど…

パー5のセカンドショット、残りは200ヤード強。ナイスショットすれば2オン、もしかしたらイーグルチャンス!?
ゴルファーなら誰でも一度は夢見る場面です。しかし、この「夢の2オンチャレンジ」がスコアにどれだけのリスクを生んでいるか、しっかり理解していますか?

多くのアマチュアゴルファーがスコアを崩す原因の一つが「無理な狙い」です。特に、月1ゴルファーや100切りを目指す段階のプレーヤーにとって、パー5の2オン狙いはリスクに対するリターンがあまりに小さすぎます。

この記事では、なぜパー5で2オンを狙うべきではないのか、その理由と代わりに取るべき戦略を、プロとアマチュアの違いも交えて解説します。


プロとアマの決定的な違いは「再現性」

プロゴルファーが2オンを狙うのは、それだけの技術状況判断力があるからです。彼らは230〜250ヤードを安定してグリーン方向に打つことができ、たとえ失敗してもリカバリー能力が高い。だからこそリスクを取る価値があります。

一方、アマチュアゴルファー、特に100切りを目指すレベルでは、以下のような状況が想定されます。

  • セカンドで200ヤード以上をフェアウェイウッドまたはUTで完璧な当たりをしなければ届かない
  • グリーン周りのバンカー、池、深いラフなどのハザードにハマるとリカバリーが効かない
  • ミスショット(チョロ、左右の大きな曲がり)が出る確率が高く、結果的にダブルボギー以上になりやすい

つまり、プロは「打ちたい球を打てる」、アマチュアは「打ちたい球を打ちたいと思ってる」だけ。この再現性の差を理解しないまま2オンを狙うことは、自滅への第一歩です。


2オン狙いのリスクとは?

では、実際に2オンを狙うとどのようなリスクがあるのでしょうか?具体的に挙げてみましょう。

■ ラフやバンカーに捕まる

グリーン周りには多くのハザードが待ち受けています。特に距離のあるクラブを使うと方向性が不安定になり、バンカーや深いラフに入りやすい。

普段のラウンドを思い出してみてください。

今まで、グリーン近くの芝の長いラフから寄せワン(*1)をどれくらいの確率で取れるでしょうか。

バンカーを必ず1打で出して、且つグリーンONすることができるでしょうか?

(*)アプローチショットでボールをグリーンに乗せ、ワンパットでカップインさせることを指します。

■ 池・OBで一発アウト

グリーン周りに池やOBラインがある場合、狙った結果が「プレー不可能」になることも。結果的に1ペナルティ以上のダメージを受けることになります。

さらに、メンタルダメージについても大きな影響を及ぼします。

ただでさえ、1打1打が重要なのに無理に狙ったことによって池やOBに捕まり無駄な打数を受け入れなければならないのは非常に辛いです。

■ 次のアプローチが難しくなる

グリーンを大きく外すと、次に待っているのは想像以上に難しいアプローチです。たとえば、グリーン奥の傾斜地やラフ、斜面に止まった場合、スタンスが安定しなかったり、ボールの落とし所が極端に狭かったりして、普段の練習場では経験しないようなシビアな状況になります。

このような難しいライから打つアプローチは、トップしてグリーン奥へこぼしたり、逆にダフってボールがほとんど転がらなかったりと、成功率が極端に低くなります。しかも、グリーンを狙って打ったセカンドショットが失敗に終わった精神的なダメージも加わり、プレッシャーのかかる3打目・4打目となってしまいます。

結果として、グリーンオンに失敗し、さらに2パット、3パットと続くことでスコアはあっという間に悪化してしまうのです。無理をした代償は小さくなく、1ホールで取り返しのつかない大叩きにつながることも珍しくありません。

■ リズムが崩れる

無理な攻めがミスに繋がると、プレーのリズムが崩れます。その後のホールにも影響し、スコア全体が崩れる原因に。


100切りを目指す人の現実的な選択肢

100を切るためには、「パーを狙うよりボギーでOK」という考え方が非常に重要です。パー5の理想的な組み立てを例に挙げてみましょう。

理想的なスコアメイクの流れ(パー5)

  1. ティーショットで180〜200ヤード飛ばす(フェアウェイキープ重視)
  2. セカンドで100〜120ヤード前進し、安全な位置へレイアップ
  3. サードでグリーンに確実に乗せる
  4. 2パットでボギー(欲張らなければパーのチャンスも)

このように、3オン2パットの「ボギー狙い」の方が圧倒的に現実的で、結果的にスコアが安定します。ミスを織り込みながらも、結果的に大叩きを防ぐルートを常に選択することが大切です。


実際に使える!「狙う?刻む?」判断基準3ステップ

ここでは、「2オンを狙うか、刻むか」迷ったときの具体的な判断基準を紹介します。

ステップ① 距離とライを確認

  • セカンド地点からグリーンまでの距離が200ヤード以上ある場合は、原則“刻み”。
  • ボールのライが傾斜、ラフ、ディボットなどにあるなら無理は禁物。

ステップ② ハザードの配置を確認

  • グリーン周りに池・バンカー・OBがあるなら“回避優先”。
  • 「グリーンを外したときのダメージ」をイメージすることが大切。

ステップ③ 自分の再現性を考慮

  • 3回に1回成功するショットではなく、「10回に7回成功するショット」を選ぶ。
  • 「このクラブでこの距離は苦手」と感じたら迷わず刻むべし。

【見出し5】“刻む”ことは恥じゃない!大人のコースマネジメント

2オンを狙わないと「逃げた」と思われるかもしれない、そんなプライドが邪魔をしていませんか?でも、本当に賢いゴルファーは「逃げる」ではなく「計算する」ことでスコアを作っています。

コースマネジメントとは、無理せずミスを減らすこと。
目標は「イーグル」ではなく、「安定したボギーやパー」。その結果、100が切れ、90台でラウンドできるようになります。


【まとめ】堅実な選択がスコアに直結する

パー5で無理に2オンを狙う必要はまったくありません。むしろ、「狙わない勇気」こそが100切りを目指すアマチュアゴルファーに必要な戦略です。

プロとの技術の差を理解し、自分に合った戦い方をすること。リスクより確率を選び、着実にスコアを積み上げていきましょう。
堅実な1打が、あなたのベストスコアを引き寄せる一歩になるはずです。

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