ゴルフを始めてしばらく経つと、多くの人が「100切り」を目標にし始めます。練習場でのドライバーの飛距離やアイアンの方向性も大事ですが、実はスコアを大きく左右するのが“100ヤード以内のショット”、つまりウェッジを使ったショートゲームです。

今回はウェッジにおけるクラブセッティングに絞って解説します!
ところが、意外にも多くのアマチュアゴルファーが、ウェッジの本数やロフトのバランスを「何となく」で決めてしまっています。あなたはこんなケースになっていないでしょうか?
- ピッチングウェッジ(PW)の次がいきなりサンドウェッジ(SW)で、ロフト角が10度以上も空いている
- ウェッジのロフト角の間隔がバラバラ/適当に選んでいる。
この「クラブ間の隙間」が、あなたのスコアに無意識のうちに悪影響を与えているのです。
特に、サラリーマンゴルファーのように限られた練習時間の中で効率よく上達したい人にとって、クラブセッティングは非常に重要です。使えるクラブを正しく揃えるだけで、ミスを減らし、スコアを安定させることができるのです。
この記事では、ピッチングウェッジのロフト角を基準に、どのようにウェッジを2本または3本選ぶべきかを中心に解説していきます。「何本入れるのが正解か?」ではなく、「どうすれば距離の隙間がなくなるか?」という視点で考えることで、自分に最適なウェッジ構成が見えてきます。
100を切るための近道は、アプローチショットの距離感を安定させること。そのための第一歩として、ぜひこの記事を通して、自分に合ったウェッジセッティングを見直してみましょう。
なぜウェッジの本数が重要なのか?


ゴルフクラブの中でも、スコアに最も直結するのが「ウェッジ」です。100切りを目指すうえで、ウェッジの本数や組み合わせは単なる“好み”ではなく、スコアを安定させるための戦略的な選択であると言えます。
ここでは、ウェッジの本数が重要である理由を以下の3つの観点から解説します。
1. スコアの約7割は100ヤード以内で決まる
多くのアマチュアゴルファーは、練習の時間をドライバーやアイアンに多く割きがちですが、実際のスコアに大きく影響するのは「グリーン周りのショット」です。
プロの統計でも、スコアの約60~70%は100ヤード以内のショットで構成されており、これはアマチュアにも当てはまります。つまり、100ヤード以内の距離をいかに正確にコントロールできるかが、スコアアップのカギとなるのです。
ここで活躍するのが、ウェッジ。適切な本数のウェッジを使い分けることで、距離感や弾道、高さを調整しやすくなり、グリーンに乗せる精度も格段に向上します。
2. ロフトの“空白地帯”がミスを生む
ピッチングウェッジ(PW)のロフト角はメーカーやモデルによって異なりますが、だいたい43~47度が一般的です。一方、サンドウェッジ(SW)は通常56度前後。この間には10度以上のロフト差が生じており、距離でいえば20〜30ヤードのギャップが発生することになります。
この“空白の距離”を何で埋めるか?
ここでウェッジが1本足りないと、例えば「PWだと大きいけどSWだと届かない」という中途半端な距離が多発します。この距離を打ち分ける技術を持っていない限り、スコアメイクは非常に難しくなります。
特に100ギリを目指す段階では、「フルショットではなくコントロールショットを要求される距離」での失敗が多く、ギャップを埋めるウェッジの存在が、ミスショットの回避や距離感の安定に直結するのです。
3. コースマネジメントがしやすくなる
ウェッジが適切に揃っていると、プレー中の判断が明確になります。たとえば残り70ヤードなら52度、90ヤードなら48度…というように、状況に応じた「迷いのない選択」ができるようになるのです。
これは精神的にも非常に大きなメリットです。
「この距離、何で打とう…」と迷いながら打つショットほど、ミスのリスクは高くなります。逆に、距離ごとの“得意なクラブ”が明確であれば、プレッシャーのかかる場面でも落ち着いてショットできるため、スコアの安定にも大きく寄与します。
また、グリーン周りでのアプローチのバリエーションも増え、高さを出して止めたい、ランを出して寄せたい、といった戦略が取りやすくなる点も見逃せません。
【結論】「ウェッジの本数=スコアメイクの引き出しの数」
ウェッジを2本で済ませるか、3本入れるか。それは単にバッグのスペースや好みの問題ではありません。あなたが100を切れるかどうかに直接つながる“スコアメイクの引き出しの数”なのです。
「PWとSWの間が空いているな」と思ったら、ぜひギャップウェッジ(AW・GW)を加えることを検討してください。適切なウェッジセッティングは、ゴルフをもっとシンプルに、もっと楽しく、そして確実に上達へと導いてくれます。
ピッチングウェッジのロフト角を基準に考える


クラブセッティングにおいてウェッジの本数を決める際、最も重要な基準となるのが「ピッチングウェッジ(PW)のロフト角」です。多くのアマチュアゴルファーが、他のクラブとの“流れ”を意識せずにウェッジを揃えてしまい、結果として距離感の空白地帯を生んでしまっています。
この章では、なぜPWのロフト角を起点に考えるべきなのか、どうやってギャップを埋めていくのが理想かを、わかりやすく解説します。



ピッチングのロフト角からウェッジを選択することがスコアアップの鍵です!
1. ピッチングウェッジのロフト角はモデルによってバラバラ
まず知っておきたいのは、近年のアイアンセットは「飛距離性能重視」になっており、PWのロフト角も年々立ってきているということです。
- 昔ながらのアイアンセット → PWのロフト角は47〜48度
- 現代の飛び系アイアンセット → PWのロフト角は43〜44度が主流
この違いが何を意味するかというと、「PWの飛距離が伸びている分、その次に使うウェッジとの間に大きなギャップができやすい」ということです。
たとえば、ロフト角44度のPWを使っている人が、いきなりSW(56度)をバッグに入れていた場合、その間は12度ものロフト差。これは飛距離で言うと、25~35ヤードもの空白が生まれることになります。
2. 理想は「4度刻み」で揃える
一般的に、ロフト角4度差で飛距離は約10ヤード前後変わると言われています。つまり、ウェッジ同士のロフト差は4〜5度以内に抑えるのが理想です。
例:
- PW:44度(飛距離:100ヤード)
- AW:48度(飛距離:90ヤード)
- SW:52度(飛距離:80ヤード)
- LW:56度(飛距離:70ヤード)
このように、均等に10ヤード刻みで距離が打ち分けられるセッティングを作ることができれば、100ヤード以内の距離を迷いなく、ミスを減らしながら攻められるようになります。
3. 自分のPWのロフト角を必ず確認しよう
意外に多いのが、「自分のPWのロフト角を知らない」というゴルファーです。クラブにロフト角は明記されていないことが多く、知らずにセッティングしてしまうことがスコア停滞の原因になることも。
確認方法としては以下のような手段があります。
- 購入時のスペック表(メーカーサイトに記載あり)
- クラブのモデル名を調べてスペックを確認
- ゴルフショップで測ってもらう
まずはPWのロフト角を明確に把握し、それを基準にギャップを埋めるクラブ(AWやSW)を揃えることが、正しいセッティングの第一歩です。
4. 2本派 or 3本派?本数はスタイルと予算で調整を
理想的なセッティングとしては、PWを含めて3〜4本のウェッジ構成が望ましいですが、バッグに入るクラブ数や予算によって調整する必要もあります。
■ウェッジ2本構成の例(コスパ重視派におすすめ)
- PW(44度)
- SW(54度)
→ ギャップは大きいが、フェースの開き方や打ち方でカバーできるならOK。



ウェッジ2本だけは基本的にはおすすめできません。
アプローチのバリエーションが少なくなりますし、フルショットの間隔も約30~40y離れてしまいます。
■ウェッジ3本構成の例(100切りを本気で目指すなら)
- PW(44度)
- AW(48度)
- SW(52〜56度)
→ ロフト差が均等で、距離・高さのコントロールがしやすくなる。100ヤード以内の不安が大幅に減る。
ピッチングウェッジ(PW)を基準に「6度刻み」もしくは「4度刻み」でウェッジを選択するのがおすすめです。
6度刻みの場合は、ピッチングウェッジを除いて2本。4度刻みの場合はピッチングウェッジを除いて3本入れるといいでしょう!
【結論】ウェッジ選びの出発点は“PWのロフト角”である
ウェッジ選びは、決して「なんとなく」で決めるものではありません。
あなたのアイアンセットのPWのロフト角が何度かを知り、その飛距離とのバランスで“ギャップを埋める”ことが、ミスを減らしスコアアップに直結する近道なのです。
クラブセッティングを見直すだけで、あなたのゴルフが変わります。まずは、今使っているピッチングウェッジのスペックを確認するところから始めてみましょう。
ウェッジは2本か3本か?タイプ別おすすめセッティング
ウェッジを何本入れるかは、ゴルファーの技術、プレースタイル、使っているアイアンセット、さらには予算や練習頻度などによって最適解が異なります。
「正解」は1つではありませんが、あなたに合った本数を選ぶことが、スコアメイクの安定につながるのは間違いありません。
この章では、2本構成と3本構成の特徴を比較したうえで、タイプ別におすすめのセッティングを提案します。
1. ウェッジ2本構成のメリットとデメリット
【構成例】
- ピッチングウェッジ(PW):44〜46度
- サンドウェッジ(SW):56度
■メリット
- バッグに余裕ができる(ユーティリティやフェアウェイウッドを多く入れられる)
- 初心者はシンプルな構成で迷いが少ない
- クラブ購入・買い替えコストを抑えられる
■デメリット
- PWとSWの間に10度以上のロフト差ができやすく、距離のギャップ(約25〜30ヤード)が発生
- 「中途半端な距離」を打ち分ける技術が必要になる(例:60ヤード、80ヤード)
- 状況に応じたアプローチの“引き出し”が少ない
■2本構成が向いている人
- クラブ本数を抑えたい初心者
- まだアプローチの精度に自信がない
- とにかくシンプルにプレーしたい
- スイング改造やショートゲーム練習にまだ取り組んでいない
2. ウェッジ3本構成のメリットとデメリット
【構成例】
- ピッチングウェッジ(PW):44度
- アプローチウェッジ(AW):48度
- サンドウェッジ(SW):52〜56度
※AWをギャップウェッジ(GW)と呼ぶこともあります。
■メリット
- 距離の階段がきれいに揃い、打ち分けやすい
- グリーン周りでの選択肢が広がり、寄せワンの確率アップ
- スコアメイクの安定性が大きく向上
- バンカー・ロブ・転がしなどアプローチのバリエーションが増える
■デメリット
- バッグに入るクラブの本数に余裕がなくなる
- 購入コストが1本分増える
- クラブの使い分けに慣れるまでに時間がかかる場合も
■3本構成が向いている人
- 本気で100切りを目指している人
- アプローチの距離感に悩んでいる人
- ショートゲームの失敗でスコアを崩している人
- スコアアップに道具の力も使いたいと考えている人
3. 【タイプ別】おすすめウェッジセッティング
■【初心者・これからクラブを揃える人】
- まずは「PW+SW」の2本構成でもOK
- ただし、PWのロフト角を確認し、PW〜SWの差が12度以上あるなら、AWの導入を検討
■【100切りを目指す人(スコア100〜110)】
- 本格的に3本構成(PW・AW・SW)に切り替えるタイミング
- 特に“寄せワン”が増えてきた人は、細かい距離の打ち分けができるとスコアが劇的に改善
- 飛距離差の目安:PW(100y)→AW(90y)→SW(80y)
■【中上級者(90台〜80台前半)】
- 3本は基本、さらに状況に応じてロブウェッジ(LW・58〜60度)を加えることも検討
- 100ヤード以内を完全に管理するために、「ウェッジのフルショット距離」を把握しておくのが理想
4. セッティングに迷ったときは「今あるクラブの距離差」を書き出してみよう
自分にとって必要な本数を判断するには、まず「今使っているクラブの飛距離とロフト角」をリスト化してみるのが効果的です。
- 100ヤード:PW(44度)
- 70ヤード:SW(56度)
→ この間に30ヤードの空白!→ AW(48〜52度)を検討
このように、距離の「空白地帯」を数字で可視化することで、あなたに必要なウェッジの“役割”が見えてきます。
【まとめ】自分のゴルフスタイルに合ったウェッジ本数を選ぼう
ウェッジは本数が多ければ良いというものではありませんが、「使いやすいロフト間隔」「安心できる距離の引き出し」を持つことはスコアアップの強力な武器になります。
100切りを目指すなら、迷ったときほど1本増やして“距離の階段”を細かく作るという発想がおすすめです。ウェッジを使いこなせば、グリーン周りでのミスが減り、スコアも自然と安定してくるでしょう。
ウェッジセッティングの注意点とおすすめモデル紹介
ウェッジを何本入れるかが決まっても、それで終わりではありません。実際にコースで活かせるクラブセッティングにするには、適切なロフト構成・バウンス角・ヘッド形状・使い方の理解が必要です。
この章では、初心者がつまずきやすいポイントを解説するとともに、コスパの良いおすすめモデルもご紹介します。
ウェッジセッティングで注意すべき3つのポイント
① ロフト角の間隔をチェックする
もっとも重要なのが「ロフト角の階段」を揃えることです。
例えば、
- PW:44度
- AW:50度
- SW:56度
このように、6度刻みで構成されていれば、フルショットやコントロールショットで10〜15ヤード刻みの距離感が作れます。
しかし、AWを抜いてPW(44度)とSW(56度)だけだと12度差となり、「90ヤード」あたりの距離感が非常に曖昧になります。これは100切りには大きな障害です。
ポイント:PWのロフト角を起点に、4〜6度間隔を意識したウェッジ構成を選びましょう。
② バウンス角を確認する
バウンス角とは、ウェッジのソール(底面)の出っ張り角度のこと。主にバンカーやアプローチでのクラブの“抜け”に関係してきます。
- バウンス角が大きい(10〜14度):芝や砂に刺さりにくい→初心者に◎
- バウンス角が小さい(6〜8度):フェースを開いて繊細に打ちたい→上級者向け
初心者は、バウンス角10度以上のモデルを選ぶことで、ダフリやバンカーショットの失敗を軽減できます。
バウンス角についてはまた今度徹底解説する記事を作成します!
③ ヘッド形状と仕上げも要チェック
ヘッド形状も大きく2種類に分けられます。
- 丸型ヘッド:寛容性が高く、初心者向け。フェースを開いたり閉じたりしやすい。
- ストレート系ヘッド:操作性が高く、上級者向け。
また、ヘッドの仕上げ(メッキ・ノーメッキ・ブラックなど)も重要です。ノーメッキはスピンがかかりやすいものの、錆びやすいのがデメリット。初心者にはメッキ仕上げの耐久性のあるモデルがおすすめです。
初心者・100切りを目指す人におすすめのウェッジモデル
ここでは、使いやすさ・価格・安定性のバランスが良いウェッジを紹介します。
■ キャロウェイ JAWS RAW ウェッジ(50度・56度など)
- スピン性能が高く、フェースの摩擦力が優れている
- 豊富なロフト角とバウンス角バリエーション
- 初心者〜上級者まで幅広く使える
- メッキあり・ノーメッキの2タイプがある
おすすめ構成例:
PW(44度)
AW(50度)
SW(56度)
■ タイトリスト ボーケイ SM9
- 操作性と打感に優れるプロも使用する人気モデル
- グラインド(ソール形状)が豊富で、バウンス角を選べる
- 中級者以上向けだが、レベルアップを目指す100切りゴルファーにも◎
■ クリーブランド RTX 6 ZIPCORE
- スピン性能・寛容性に優れた人気モデル
- 初心者でもスピンをかけやすく、寄せワンが狙いやすい
- フェースが広く、ミスヒットにも強い
- 比較的手頃な価格
■ ブリヂストン TOUR B XW-1/XW-2
- 日本人ゴルファーに合わせた設計で、使いやすさ◎
- ソフトな打感と安定した飛距離性能
- XW-2は寛容性重視で初心者向け、XW-1は操作性重視で中級者向け
■ コスパ重視!キャスコ DOLPHIN ウェッジ
- 初心者向けに設計された「簡単ウェッジ」
- 特にバンカーショットが苦手な人に好評
- ソール幅が広く、ダフリにも強い
- 価格も比較的安価で手に入れやすい
ウェッジ購入時のワンポイントアドバイス
- 自分のPWのロフト角を必ず確認してから購入すること(→適切な間隔で揃える)
- 試打できるショップがあれば、打感やスピン量を体感して選ぶ
- 中古品でも状態が良ければ十分戦える!コスパ重視なら中古市場をチェック
【まとめ】セッティングとモデル選びがスコアに直結する!
ウェッジのセッティングは、「なんとなく2本」ではなく、「自分のPWのロフトから逆算して、階段をつくる」ことが大切です。
そして、正しいモデル選びで寄せワンの確率が上がり、大叩きが減る=スコアが縮まるという好循環が生まれます。
少しずつで構いません。ぜひあなたのゴルフライフに合ったウェッジセッティングを見直して、100切りに近づいていきましょう!
まとめ|ウェッジセッティングで100切りが現実になる
ウェッジの本数や構成は、100切りを目指すサラリーマンゴルファーにとってスコアアップの鍵を握る重要な要素です。
中でも見落としがちなのが、「ピッチングウェッジのロフト角を起点に、適切なロフト間隔でウェッジを選ぶ」という視点。
これができていないと、80〜100ヤードの中途半端な距離で大きなミスを生みやすくなり、パーオンのチャンスを逃したり、寄せワンの難易度が急上昇してしまいます。
本記事のポイントを振り返りましょう:
- ✅ まずは自分のピッチングウェッジのロフト角を確認
- ✅ その上で、4〜6度刻みの「距離の階段」を作るようにウェッジを2〜3本選ぶ
- ✅ クラブ選びでは「バウンス角」「ヘッド形状」「使いやすさ」も意識する
- ✅ 100切りを目指すなら、迷ったら3本構成が断然おすすめ
- ✅ 自分に合ったモデルを選べば、寄せワンやバンカー脱出が楽になり、スコアが安定する
ショットの精度を上げるには時間がかかりますが、ウェッジセッティングの見直しは今日からでもできるスコア改善策です。
自分のゴルフスタイルや技術レベルに合ったウェッジを選び、アプローチの精度を高めていきましょう。



正しいウェッジを選択して「寄せワン」、スコアが縮む快感をぜひ体感してください!
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