100ギリを目指すなら「ボギーオン」のマネジメントを意識すべし!

目次

パーオン・ボギーオンとは

ゴルフでは「パーオン」や「ボギーオン」といった言葉がよく使われますが、これらはスコアメイクやマネジメントを考える上でとても重要な概念です。まずはそれぞれの意味と違いを明確に理解しておきましょう。

パーオンとは?

「パーオン(Par On)」とは、パーとなる基準打数の2打以内にグリーンオンすることを指します。具体的には以下のようになります。

  • パー3ホール:1打でグリーンに乗せる
  • パー4ホール:2打でグリーンに乗せる
  • パー5ホール:3打でグリーンに乗せる

つまり、パーオンを達成できれば、残りの2打でカップインすればパーが取れるという理論になります。そのため、パーオンはスコアアップを狙う上で理想的な戦略の一つです。

ゴルファー風間

パーオンできると気持ちがいいですよね!!ただ、パーオンができることが「理想」であって、パーオンを狙うという選択が「正解」とは限らないのです。

ボギーオンとは?

一方の「ボギーオン(Bogey On)」は、パーオンよりも1打多くかかってグリーンに乗せることです。具体的には以下の通りです。

  • パー3ホール:2打でグリーンに乗せる
  • パー4ホール:3打でグリーンに乗せる
  • パー5ホール:4打でグリーンに乗せる

この場合、グリーンに乗せたあと2パットで収めれば「ボギー(+1)」になります。多くの初心者や100切りを目指すゴルファーにとっては、この“ボギーオンして2パット”というプレースタイルこそが、スコア安定のカギになるのです。

なぜボギーオンという考え方が重要なのか?

ゴルフでは「パーで回る」ことが理想ですが、それをすべてのホールで実行するのは非常に難しく、特に初心者やアベレージゴルファーには高いハードルです。ボギーペースでも18ホールで90打ですから、「100切り」という目標に対しては、ボギーオン戦略が非常に現実的であり、効果的なマネジメント方法なのです。

パーオンの難しさ・危険性

多くのゴルファーにとって「パーオン」は憧れのプレーです。スコアカードにパーが並ぶことを夢見て、ティーショットからフルスイングで距離を稼ぎ、2打目でピンを狙う——そんな攻めのゴルフは魅力的に見えます。

しかし、実際にはパーオンはプロゴルファーでも簡単ではないという現実があります。アマチュアゴルファーが毎ホールでパーオンを狙うのは、まさに“高望み”とも言える行為であり、無理なチャレンジはスコアを崩す原因になるのです。

プロでも達成率は70%以下。パーオンは決して簡単ではない

PGAツアーにおけるパーオン率(GIR: Greens in Regulation)は、トップ選手でも平均65〜70%程度です。つまり、世界最高峰のプロであっても、約3割のホールではパーオンできていないのです。では、アマチュアゴルファーはどうでしょうか。ハンディキャップ10前後のシングルプレーヤーでもパーオン率は30〜40%が良いところ。100切りを目指すゴルファーなら10%未満というデータも珍しくありません。

この数字が示しているのは、パーオンを狙うこと自体が非常に難易度の高い選択肢だということです。

ゴルファー風間

パーオンを目指すことは決して悪いことではないですが、パーオンの難しさをきちんと把握しておきましょう。

パーオン成功には1打目・2打目の「完璧」が必要

たとえばパー4ホールでパーオンを成功させるには、ティーショットを正確にフェアウェイに置き、さらに2打目でグリーンセンターに運ばなければなりません。この2つの条件をどちらも満たさなければ、パーオンは達成できません。

しかし、現実にはどうでしょうか。ティーショットが右に曲がってラフに入ったり、フェアウェイバンカーに捕まったりすることは日常茶飯事。そこから無理にグリーンを狙っても、距離や方向がズレてしまい、グリーンを外すことになります。

特に初心者の場合、フェアウェイキープ率は20〜30%程度、ミスショットの確率も高いため、2打目を理想通りに打てる確率は非常に低いのです。つまり、パーオンを狙うには、現実には“2連続で完璧なショット”を打たなければならず、それはアマチュアには極めてハードルが高い要求です。

無理に狙うとリスクが急増

パーオンを目指すゴルファーが陥りがちなのが、「狙うことそのもの」がリスクになるという事実を見落とすことです。ここでは具体的に、無理なパーオン狙いがどんなトラブルを引き起こすのか、代表的なケースを紹介します。

① フェアウェイバンカーにつかまる

パーオンを狙うために飛距離重視のティーショットをすると、フェアウェイバンカーが絶妙な位置で待ち構えていることがよくあります。特に300ヤード未満のミドルホールでは、200ヤード前後にバンカーが配置されていることが多く、ドライバーで狙えば正面から突っ込んでしまうリスクが高いのです。

フェアウェイバンカーに入ってしまうと、2打目の距離が合わなかったり、クリーンに当てられずグリーン手前のラフに留まることも多くなります。その結果、3オンすら難しくなり、ボギーどころかダブルボギー以上も見えてくるのです。

② グリーン周りのバンカー・池にハマる

パーオン狙いの2打目は、グリーンを直接狙うことになります。そのときに見落としがちなのが、グリーン周りのハザード多くのホールでは、グリーンを守るようにバンカーや池が配置されており、距離や方向を少しでもミスすれば、たちまちトラブルになります。

  • ピンを直接狙った結果、手前の池に落ちる
  • 横風に流されてグリーン奥のバンカーに入る
  • トップして奥のOBゾーンへ飛んでしまう

これらは、無理にパーオンを狙ったときに実際に起こりやすいトラブルです。そして、これらのトラブルが起こると、スコアは一気に崩れ、ダブルボギーやトリプルボギーといった“大叩き”につながります

③ 精神的プレッシャーの増大

もうひとつ見逃せないのが、「パーオンしなければ」というプレッシャーがプレーの質を落としてしまうという点です。無理に距離を出そうとしてフルスイングを多用した結果、ショットの精度が落ちてミスが連発、メンタル的にも焦ってしまい、自滅していくゴルファーも多く見受けられます。


パーオンは、たしかに魅力的でスコアを縮める理想のプレーかもしれません。しかし、そこに固執することで見えてくるのは、「ミスの連鎖」「スコアの崩壊」なのです。

ゴルファー風間

パーオンの難しさを理解した上で、ボギーオンのマネジメントについても解説します!

ボギーオンの考え方

― 無理をしない堅実なゴルフが、100切りへの最短ルート ―

「パーオン=理想」「ボギーオン=妥協」と感じる方は多いかもしれません。しかし、**スコア100切りを目指す上では、むしろ“ボギーオンこそが理想”**と言っても過言ではありません。ボギーオンとは、パーより1打多くグリーンオンを目指す戦略です。つまり、パー4なら3打目でグリーンオンパー5なら4打目でグリーンオンができればOKとする考え方です。

この戦略を徹底することには、実は多くのメリットがあります。ここでは、ボギーオンに徹することで得られる3つの大きな利点を、パーオンと比較しながら詳しく解説していきます。


① 精神的に“安心してプレー”できる

ボギーオン戦略の最大の魅力は、プレッシャーから解放されることです。

パーオンを常に目指すプレーでは、ティーショットも2打目も、ほぼ“完璧”を求められます。どちらか一方でもミスすればグリーンオンが不可能になり、結果的に焦りや落胆につながります。ミスした後のリカバリーでも、「なんとか取り戻さなければ」と無理なショットを選んでしまい、さらにミスが重なることも珍しくありません。

一方で、ボギーオンでOKという考えに切り替えると、ミスを恐れずプレーできるようになります。ティーショットでフェアウェイを外しても、「次でリカバリーすればいい」と冷静に対処できる。2打目で届かなくても、「3打目でグリーンに乗せれば大丈夫」と自分に余裕を与えることができる。この精神的な安心感が、ミスを最小限に抑える最大の要因になるのです。

実際、多くのアマチュアゴルファーは「気持ちの余裕」がショットの精度を上げる大きな要素であることを経験的に理解しています。

ゴルファー風間

ゴルフはメンタルスポーツ!ボギーオンのマネジメントでスコアの安定に繋げましょう!


② ハザードを回避し、安全なルートを選べる

パーオンを狙うゴルフでは、グリーンまでの最短ルートを通る必要があります。しかしそのルートには多くの場合、バンカーや池、深いラフなどのハザードが立ちはだかっています。無理に距離を出そうとすれば、バンカーに入り、池に落ち、ラフにつかまり…と、トラブルの連鎖を引き起こすこともしばしば。

ボギーオンを前提としたマネジメントでは、「ハザードを避けることを最優先」にコース戦略を立てられるのが大きな利点です。

たとえば、グリーン手前に池が広がるホールで、2打目でグリーンを狙うのはリスクが高い場面があります。しかし、ボギーオン前提で考えれば、2打目はグリーン手前の“安全な花道”にレイアップするという選択肢が有効になります。そして3打目でグリーンセンターを狙えば、確実にグリーンに乗せられ、ダボ以上のスコアになるリスクを大幅に下げることができます

このように、ボギーオンという意識が、「距離を出す」ことよりも「安全に運ぶ」ことに重きを置いた、戦略的で堅実なルート選びを可能にします。その結果、スコアが安定し、スムーズなラウンドができるのです。


③ 大叩きを避けることができる

100切りを阻む最大の敵は「トリプルボギー以上の大叩き」です。どれだけ調子が良くても、1ホールで+4、+5と叩いてしまえば、スコアは一気に崩れてしまいます。

そしてこの大叩きは、無理なパーオン狙いが引き金になることが多いのです。飛距離を出そうとフルスイング→ミスショットでOB、池ポチャ、林の中、バンカー地獄…結果として6オン2パットで「+3」や「+4」が発生します。

しかし、最初からボギーオンを目指す戦略を採れば、大叩きを極力回避できます。そもそも距離を出しすぎようとしないため、ミスしても致命的になりにくく、バンカーや池などの“危険ゾーン”を回避するコース取りを選べます。

たとえば、パー4のホールで、

  • ティーショットはユーティリティで安全に運び、
  • 2打目はフェアウェイの安全なゾーンにレイアップ、
  • 3打目でグリーンオン、
  • 2パットでボギー

これで+1です。このボギーを繰り返すだけで「90台のスコア」が見えてきます。1ホールごとのプレッシャーを減らし、ミスの連鎖を防ぎ、リスクをコントロールする。それがボギーオン戦略の最大の価値なのです。

ボギーオン戦略を実践するためのマネジメント方法とコツ

ゴルフで100切りを目指す初心者にとって、無理にパーオンを狙うよりも「ボギーオンでOK」と考えるマネジメント戦略は非常に効果的です。

しかし、ただ「ボギーでいい」と思うだけではなく、実際のラウンドで確実に実践するためには具体的な戦術と技術、そして心構えが欠かせません。

この章では、ボギーオン戦略を成功させるために必要なマネジメントの方法やショット選択のコツを詳しく解説します。どんな場面でも冷静に安全な選択をし、大叩きを防ぎつつ着実にスコアを積み上げるためのポイントを理解し、ぜひ実践に役立ててください。

ゴルファー風間

ボギーオンのマネジメントを身につけて最短で100ギリを達成しましょう

ボギーオン戦略を成功させるための基本マインドセット

ゴルフのスコアメイクにおいて、最も重要なのは“自分に合った戦略”を持つことです。100切りを目指す多くのアマチュアゴルファーにとって、その戦略の最適解が「ボギーオンでOKという考え方」です。しかし、この戦略を真に活かすためには、まずマインドセット(考え方・心構え)を根本から変えることが必要になります。

◆「パーを狙いたい」という欲からの脱却

多くのゴルファーは無意識のうちに「パーを取りたい」「せめてパーオンは狙いたい」と思っています。しかし、冷静に考えてみてください。プロゴルファーですら18ホール中、パーオンできるのは平均12ホール前後です。それだけパーオンは難易度が高いショットの連続なのです。

アマチュアが同じようなゴルフを目指すのは現実的ではありません。それよりも、常に「ボギーでOK」と自分に言い聞かせ、無理をしないプレーに徹することが結果的にスコアアップにつながります。ボギーオンを受け入れる心の余裕こそ、100切りの近道です。

◆「1ホール+1打の積み重ね=100切り達成」の意識

18ホールすべてをボギーで回れば、スコアは「90」です。つまり、1ホールあたりたった「+1」でいいのです。これを意識するだけで、「あそこでパーを逃した…」と自分を責める必要がなくなりますし、1ホールでダボ以上を叩かないようにするマネジメントこそが重要だと気づけるはずです。

ミスをリカバリーしようとして無理なショットを打ち、大叩きする…これはよくあるミスの連鎖です。そうならないために、常に「次のショットを確実に打つための場所に運ぶ」という安全第一の考え方が求められます。

ゴルファー風間

完璧な一打より、今日1日のトータルスコアに価値があります。

◆「見栄を捨てる」ことでプレーが安定する

パーオン、ロングドライブ、ピンデッドのショット…かっこよく見えるショットに憧れる気持ちは誰にでもあります。しかし、スコアメイクにおいて大切なのは“見た目の派手さ”ではなく“地味でもコツコツとスコアを積み重ねる堅実さ”です。

他人と比較せず、「自分にできる範囲のプレーを続ける」ことが100切りには何よりも大切です。飛距離が出ないからこそ、方向性やマネジメントで勝負する。そういった考えにシフトできれば、無駄なリスクを取らなくなり、自然とスコアが安定します。


このように、まずは「パーを狙うのではなく、ボギーオンを積み重ねる」という戦略を受け入れ、それにふさわしいメンタルに整えることが、ゴルフの上達において非常に重要です。このマインドセットをしっかりと身につけていれば、次章で紹介するマネジメントの実践もよりスムーズに行えるはずです。

各ショットごとの考え方と狙いどころ

ボギーオン戦略を現実のプレーに落とし込むには、各ショットごとに目的を明確にすることが重要です。「この1打でどこまで運ぶか」ではなく、「次のショットを確実に打てる場所に置く」という逆算の考えが求められます。


◆ ティーショット編:飛ばすより、フェアウェイキープ優先

ティーショットで最も大切なのは「飛距離」ではなく、「次のショットを打ちやすい場所に置くこと」です。ドライバーで200~230ヤード飛ばしてもラフやOBに行けば、スコアは一気に崩れます。

【戦略のポイント】

  • 飛距離より方向性重視。ミスの少ないクラブ(スプーン、ユーティリティ)を積極的に使う
  • フェアウェイの広いサイドを狙う。狙いが絞れてリスクが減る
  • 無理にドローやフェードを打たず、持ち球で勝負する

例えば、右が池で左が広いホールでは、「少し左を狙って、万一引っかかっても大丈夫」と考えることで、精神的にも安心して振れます。フェアウェイキープ率が上がるだけでなく、次のショットの選択肢が広がるのです。


◆ 2打目編(パー4想定):無理にグリーンを狙わない

パー4の2打目でグリーンを狙うのは、初心者にとって非常にリスクが高い選択です。ボギーオン戦略では、2打目で“グリーンに届かなくてもいい”という前提に立ちます。むしろ、グリーンの手前や花道に確実に運ぶ方が賢明です。

【戦略のポイント】

  • 届くか微妙な距離なら狙わない。レイアップでOK
  • 左右のハザードを避けた安全ゾーン(花道、手前の広いエリア)を狙う
  • ショートアイアンで3打目を残せる位置に置く意識を持つ

たとえば、グリーンまで残り160ヤードで、池やバンカーが前にある場合。無理して5番アイアンで池越えを狙うのではなく、8番アイアンで100ヤード手前に刻み、次でグリーンを確実に捉える方が、ボギーで済む確率は高くなります。


◆ 3打目編(パー5やボギーオン狙い時):確実なアプローチで乗せる

ボギーオン戦略では、3打目でグリーンオン=目標達成です。ここで求められるのは、ピンに絡むショットではなく、「グリーンの中央に確実に乗せること」。そのために、無理に上げるショットやスピンをかける技術は必要ありません。

【戦略のポイント】

  • ピン位置に関係なくグリーンセンターを狙う
  • 苦手な距離を避け、自分が得意な距離を3打目に残す(例:90yが打ちやすければ、その距離を残す)
  • 上げすぎず、転がすアプローチを積極的に選択

この考えを徹底することで、グリーン周りのバンカーや深いラフのリスクを避けられますし、パット数が安定してスコアがまとまりやすくなります


◆ 「打ちたい」ではなく「打てる」ショットを選ぶ

すべてのショットに共通して言えることは、「打ちたいクラブ」「狙いたい距離」ではなく、ミスが出にくく、成功率が高いショット」を基準に考えることです。

  • 7番アイアンで150ヤード「飛ばしたい」ではなく、135ヤード「確実に届く」クラブで打つ
  • グリーン周りでロブショットを「試したい」ではなく、転がしで「安全に寄せる」

ボギーオンを前提とすれば、派手なショットや挑戦的な選択は必要ありません。確率の高い選択を重ねることで、スコアは自然と安定してくるのです

ハザードを避けるルート戦略の考え方

「リスク回避」はスコアメイクの基本。特に100切りを目指すゴルファーにとって、1打のミスがスコアに直結するため、危険なエリアに打ち込まないルート選び=ボギーオンの成功率を高めるカギとなります。


◆ ハザードの位置をティーグラウンドから把握する

まず、ティーショット前にやるべきことは、「コースの全体像を把握すること」です。

【実践ポイント】

  • スコアカードやカートナビでホール全体を確認し、池・バンカー・OBの位置を把握する
  • ハザードの手前と超えるための距離をメモしておく
  • 無理に越えようとせず、“ハザードに届かない番手”を選ぶ

たとえば、「230ヤード地点にフェアウェイバンカーがある」なら、200ヤード飛ぶクラブを選べば自然とバンカー手前に止まる。これが「リスクの予防策」として非常に有効です。


◆ グリーン周りは“攻めない”エリアを明確にする

グリーン周辺のバンカーや池は、初心者にとって致命的なミスを生みやすい場所です。特に「右が池、左がバンカー、奥は下り傾斜」などの難易度が高いレイアウトでは、「絶対に外してはいけない方向」を意識する必要があります。

【実践ポイント】

  • グリーンの片側に池・バンカーがあるなら、反対側に外すくらいの気持ちで
  • 縦距離(奥行き)より横方向(左右)の安全性を優先
  • 奥が深いラフやOBなら、必ずショート目で手前に残す意識を

つまり、「どこに外してもいいか」ではなく、「どこに外してはいけないか」を考えることで、ミスの被害を最小限にできます。


◆ OBを避けるための考え方と対策

初心者にとって「OB=即スコアが崩れる最大の敵」です。1発で+2打、心理的にもショックが大きく、冷静な判断ができなくなりがちです。ここでも「OBがある方向には絶対に打たない」というルールを徹底することが必要です。

【実践ポイント】

  • OBが右側なら、左のラフでもいいから左狙いで
  • ティーグラウンドの立ち位置を調整して、OB方向に構えにくくする
  • ドライバーを無理に使わず、方向性の良いクラブ(FWやUT)に切り替える

また、OBが目に入るだけでプレッシャーが強くなるので、「OBがない側だけを見る」「狭いときはティーを低くしてコンパクトに振る」など、ミスの原因を物理的にも心理的にも取り除く工夫が大切です。


◆ 距離ではなく“安全ルート”を優先して選ぶ

多くのアマチュアは「一番短い距離=最善のルート」と考えがちですが、実はこれは誤解です。池越え、狭い谷越え、ドッグレッグの内側などは短いけれどハイリスクなルートです。逆に、少し遠回りになっても安全なフェアウェイを通るルートの方が、結果的にスコアが安定します。

【実践ポイント】

  • ドッグレッグでは内側を狙わず、安全に“曲がり切った先”に置く意識
  • 池越えホールは、池の手前に刻んで3打目勝負でOK
  • グリーンが砲台の場合は、手前の広い花道を狙う

たとえば、グリーンの右側が池、左側が広くて安全なラフという場面では、ピンが右にあっても「左側グリーンセンター」を狙うことが正解です。これが「ボギーオンマネジメントの核心」と言える部分です。


◆ スコアを「加点方式」ではなく「減点方式」で考える

最後に大切な考え方は、スコアを攻めて稼ぐのではなく、ミスを防いで守るという“減点方式のマネジメント”です。ボギーオンは、まさにこのスタイルに最適です。

  • パーオンを狙って池に入れて+2(ダボ)になるより、
  • ボギーオンして2パットのボギーで収めた方が、トータルスコアは断然良い

100切りに必要なのは「ナイスショット」ではなく、「大叩きをしないゴルフ」そのための選択肢を常に持つことこそが、ハザード回避の真の意味です。

ゴルファー風間

頭では理解できても、実践できる人は少ないです。
このマネジメントを忠実に守って、周りの人と差をつけましょう!

グリーンオン後のパッティングとボギー狙いの考え方

ボギーオン戦略では、グリーンに乗った後が本番とも言えます。2パットでボギー、3パットでダブルボギー。この「1打の違い」がスコア100の壁を超えるかどうかを左右します。ここでは、初心者でも意識すれば確実に改善できる、パッティングの思考と技術を整理して解説します。


◆ 第1パットの目的は「寄せること」

多くの初心者は「パット=入れること」と思いがちですが、ボギーオン戦略では第1パットは“寄せること”が最優先です。特にロングパットでは、入れることよりも「次に確実に入れられる距離に止める」ことが圧倒的に重要になります。

【実践ポイント】

  • カップから半径50〜80cm以内を「安全圏」と定める
  • 下りラインやスライスラインは“カップの手前で止める”意識を強く持つ
  • 「距離感重視」で、方向は多少ブレてもOKと割り切る

たとえば、10mのロングパットで2mオーバーすれば3パットのリスクが高まりますが、50cmショートであれば、2パットで済む確率はぐんと上がります。この「入れに行かない勇気」が、安定したスコアを生む秘訣です。

ゴルファー風間

いいスコアを出すのなら、ロングパットを決める快感よりも確実に2パットする堅実さを大切にしましょう。


◆ 第2パットは「絶対に外さない」ための準備を

第2パットは、文字通り「スコアを決定づける1打」です。特に1m以内のパットはボギー確保の生命線。この距離を確実に沈めることが、100切りを目指すうえで最も重要な技術の一つです。

【実践ポイント】

  • 毎回、同じルーティンで構える(構えの再現性が精度を生む)
  • ショートパットは「ラインよりもストレートに打ち切ること」を優先
  • プレッシャーがかかるときは、“狙いすぎない”ストロークで芯に当てる

また、「外したくない」というプレッシャーが強くなるほど手が動かなくなります。スッと構えて、テンポよく打つリズムを体に染み込ませることが肝心です。


◆ パット練習の優先順位は「距離感」>「ライン読み」

アマチュアにありがちなのが、「ラインを読みすぎてスピードがバラバラになる」というケースです。実際、パットの成否はライン読みの正確さよりも、タッチ(=距離感)で決まる場面が多いです。

【実践ポイント】

  • 5m以上のロングパットは、「どのくらいの力で打てば届くか」に集中
  • 下りのラインは、ラインよりも“止める場所”を意識
  • 芝目や傾斜よりも「速い・遅い」を感覚的に掴む練習を

パットは「見る」より「感じる」スポーツです。傾斜や芝目を意識しすぎるよりも、その日グリーンの速さに慣れることのほうがスコアに直結します


◆ パット数を「減らす」のではなく「増やさない」意識で

初心者にとって、「1パットの回数を増やす」よりも、「3パットを減らす」方が圧倒的に現実的です。つまり、パット数を“攻めて減らす”のではなく、“守って増やさない”意識で取り組むことが、ボギーペースを実現するコツです。

【目標設定】

  • 18ホール中、3パットは2回以内を目指す
  • 残りはすべて「2パット以内」でまとめる意識
  • パット数が36以内なら、パッティングは及第点

特に100切りを狙う段階では、パット数を平均36以内に抑えるだけで、ショットの負担が大幅に減ります。この考え方が、パッティングにおいて「守るゴルフ」の柱となります。


◆ 終盤でも“2パットで十分”というメンタルをキープ

最終ホールやスコアがかかった場面で、「これを入れれば…!」と力が入る場面もあるかもしれません。しかし、ボギーオン戦略では、最後まで2パットでOKの冷静さを保つことが重要です。

  • 「強めに打って外す」より、「タッチ重視で寄せる」
  • 「決めよう」より、「外さない」
  • 「取り返そう」より、「崩さない」

これらの意識が、スコアをまとめる本当の武器になります。

ボギーオン戦略の成功率を上げる練習方法

100切りを目指す初心者にとって、ボギーオン戦略は実践的で効果的なマネジメント方法ですが、これをラウンドで活かすには「確実に3オンできる技術」「グリーン周りの寄せとパッティング力」が不可欠です。ここでは、具体的な練習メニューとポイントを紹介します。


1. ミドルショット(セカンドショット)の精度を高める

ボギーオンの最大のキモは「3打目でパターを打てる状況を作ること」。つまり、セカンドショットをフェアウェイやグリーン近くに安全に置くことが重要です。

  • 狙いすぎず安全にレイアップする練習
    ドライバーやアイアンで、あえて距離を抑えてフェアウェイの広いゾーンを狙う練習を繰り返す。狭いピン狙いよりも成功率が格段に上がります。
  • クラブごとの距離感の把握
    それぞれのクラブで平均飛距離を正確に掴むことで、無理なショットを避けられます。練習場でしっかり距離を測りましょう。

2. グリーン周りのアプローチ練習

3オンを確実にしたあとに重要なのが、寄せの技術。特にボギーオン狙いでは、グリーンエッジからの寄せが頻出します。

  • 基本のピッチ&ラン練習
    ボールを高く上げすぎず、転がす距離をコントロールできるピッチ&ランの練習を重点的に。距離感と方向性を磨きます。
  • ランニングアプローチの距離感調整
    芝の状況や傾斜を考え、ランで寄せる技術も不可欠。転がり具合を体で覚えましょう。
  • バンカーショットの基本
    万一、グリーン周りのバンカーに入っても慌てずに寄せられるよう、バンカーショットの基礎をマスターしておくと安心です。

3. パッティング練習で2パットを確実に

パッティングはスコアメイクの最後の砦。2パットで収める技術が身につけば、ボギーペースは格段に安定します。

  • 距離感をつかむロングパット練習
    グリーンの速さに慣れるため、3〜10mの距離感をつかむ反復練習を。力加減を体に覚え込ませます。
  • 1m以内のショートパットの正確性を磨く
    「絶対に外さない」という気持ちで繰り返し練習し、メンタル面も強化しましょう。
  • パットのルーティンを確立
    毎回同じ構えと打ち方を心がけることで、再現性が高まりミスを減らせます。

4. メンタル面の強化練習

ボギーオン戦略は技術だけでなく、メンタル面も大きく影響します。プレッシャーに負けず安全策を貫く心構えが必要です。

  • プレッシャー下での練習
    自宅や練習場で「もしこれを外したらペナルティ」と自分に課しながら練習し、緊張感をコントロールする方法を習得。
  • 目標設定の見直し
    毎回のラウンドで「パーオン狙い」ではなく「ボギーオン確実」を目標にする意識を強める練習を心がける。

ボギーオン戦略の練習は「安全に刻むショット」「グリーン周りの寄せ技術」「確実な2パット」を中心に計画的に取り組むことが重要です。これらを繰り返すことで、実際のラウンドでの成功率が格段に上がり、100切りへの大きな近道となります。

まとめ

ゴルフで100切りを目指す初心者にとって、パーオンにこだわりすぎることは思わぬリスクやプレッシャーを生み、大叩きの原因になりかねません。一方で「ボギーオンでOK」と割り切るマネジメントは、精神的な余裕を生み出し、安全な場所を狙うことで安定したスコアメイクを可能にします。

パーオンの難しさはプロでも簡単ではなく、アマチュアが完璧なショットを続けるのは非常にハードルが高いもの。無理にピンを狙ってバンカーや池にはまれば、ダブルボギー以上の大叩きもあり得ます。だからこそ、確実に3打目でパターを打てる「ボギーオン」を目標に据えることは、理にかなった戦略です。

ボギーオン戦略では、リスクを避けて安全なショットを選び、寄せとパットでスコアをまとめる技術と心構えが重要。これにより、精神的な負担を減らし、着実に100切りへの道を歩めます。まずはボギーオンの価値を理解し、無理のないマネジメントを心がけましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次